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東洋医学の考え方①

「気」の思想

東洋医学には「気」の思想があります。
日本人が日常的に使っている言葉のなかでは、[やる気がある] [殺気を感じる] [気分が悪い] [気が利く]など、「気」がつく言葉の例をあげればきりがありません。特徴としては情緒的・雰囲気的な傾向が強く、流動的な性格がつきまとっていることが特徴のようです。
一方で、中国での「気の思想」は、戦国時代の厳しい現実を生き抜くための方法論として、実態を伴ったものです。その考え方に【陰陽論】や【五行説】などがあります。
今回は、陰陽論についての説明をします。

⚪陰陽論⚪


陰陽は、『日が当たるか当たらないか』から発生した考え方で、すべての現象には正と反の二面性を持っていると考えました。
陰陽論は絶対的なものではなく相対的なものであり、一定の条件下で相互に転化したりと、大きく4つの特徴があります。

①対立と制約

陰陽とは、対立的・統一的な関係です。
対立は二者間の相反する一面であり、統一は二者間の制約しあいながら同時に補完しあう関係にあります。

②相互依存

陰陽で分けられた両者は相互に依存しています。一方だけで単独に存在することはありえず、例えば右は左の存在がないと成立しません。

③消長と平衡

四季の変化でいえば、冬から春、春から夏になるにつれ、気候は寒冷から暑さに向かってゆきます。これは陰が消えて陽が長くなる変化の過程です。
陰陽の対立と制約、相互依存は、静止した不変の状態ではなく、常に運動変化の中で行われています。

④相互転化

太陽が1番高く昇った位置が1番明るいですが、そこからはだんだんと太陽は沈んでいき周りは暗くなります。逆に夜中の1番暗くなる時を境に、朝に向けて明るくなります。
また液体を一定の温度冷やしたり、温めたりすると、固体や気体へと変化します。
これらは陰陽の転化と呼び、③で説明した緩やかな変化ではなく、一定の条件下で正反対の方向に動くことを言います。

まとめ

これらは現代人には理解しにくい思想ですが、鍼灸の施術を行う上で非常に大切な考え方になります。
鍼灸の施術において、例えば脈を診る時は、早いか遅いか、強いか弱いか、浮いているか沈んでいるかを確認して、体の状態やアプローチの反応を把握しています。
次回は陰陽論と合わせて施術時に考えている【五行説】について説明します♪

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